犬を褒めることができているか(その2)

犬を褒めるときにコマンドを一緒につけることは、よく知られていると思います。望ましい行動が見られたら「いいこ」や「グッボーイ」と言ってからオヤツをあげます。私の家では日本語の会話と被らないようにコマンドはなるべく英語にしていますので「グッボーイ」を使っています。あと雄なので「グッボーイ」です。

このとき「グッボーイ」が二次性強化子で、オヤツが一次性強化子になります。「グッボーイ」という単語は最初は何の意味も持ちませんが、オヤツという持って生まれた嬉しい刺激と合わせて行うことで、意味を持たなかった「グッボーイ」も嬉しい刺激になっていきます。そしてオヤツがなくても「グッボーイ」という言葉だけで犬を褒めることが出来るようになります(詳しくはこちらの記事へ)。

これが簡単に出来そうでなかなか難しいところがあります。「グッボーイ」と言ったつもりが「はい。グッボーイ」と頭に「はい」を付けたり、「○○ちゃん。グッボーイ」と頭に名前を付けたり、意識をしていないと余計な単語を付けてしまいがちです。残念なことに犬は言葉が理解できません。ですが音の違いは分かるので、単語を聞き分けることは出来ます。「グッボーイ」と「はい。グッボーイ」が同じ意味だと分かるまでには時間がかかってしまいます。なるべく犬に通じる音を人間が使うことで、犬に早く伝わるようになります。

こうしたことは家族の中でも統一しなければなりません。お母さんは「グッボーイ」だけどお父さんは「いいこ」ではダメです。「グッボーイ」と決めたら、お爺ちゃんやお婆ちゃんも「グッボーイ」にしてもらいます。ですから新しいコマンドを使うときには家族会議が必要です。家族みんなで同じコマンド使うようにしましょう。

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参考文献
アルバート P.A.・トールマン A.C. (2004) はじめての応用行動分析. 東京都,二瓶社
杉山 尚子 (2005) 行動分析学入門 ―ヒトの行動の思いがけない理由. 東京都, 集英社
ダンバー I. (2007) ドッグトレーニングバイブル. 東京都,レッドハート
プライア K. (1998) うまくやるための強化の原理. 東京都,二瓶社

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