犬を待つということ

散歩中に犬が匂いかぎをしているとき、どれくらい待つことができますか。自転車や車が近づいて邪魔なときは、犬に避けてもらいますが、周囲が安全なときには犬が満足して立ち去るまで待つことで、犬の満足度は上がり、匂いかぎがじゅうぶんできることで落ち着くことができます。

ハーネスや首輪を付けるときはどうでしょう。ハーネスを持ってきたとき、なかなか近くに来てくれないときに、犬を待つことはできますか。犬には犬のタイミングがあると思います。しばらくウロウロしてから来る、体を掻いてから来る、体をブルブル震わしてから来るなど、気持ちを落ち着かせたり、気分転換をしてからハーネスを付けたいのかもしれません。

人間は考えや判断が早いです、また時間に忙しい日々を送っていると、僅かなことを待つことが難しくなっています。朝の忙しい時間に、犬のハーネスを付けるために待つ時間がもったいないと思うかもしれません。ですが、人間にも準備の時間が必要なのと同じで、犬も心の準備が必要です。

人間のせかせかした行動や気持ちは犬に伝わります。ゆったり穏やかな行動や気持ちも犬に伝わります。興奮しやすい犬になるか、穏やかな犬になるかは、そうしたところからも影響を受けます。
犬を待つ心のゆとりを持って、日々穏やかにすごして行きましょう。

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参考文献
ホロウィッツ A. (2012) 犬から見た世界―その目で耳で鼻で感じていること, 東京都, 白揚社

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