仔犬の社会化期は、個体差があるので期間の特定は難しいですが、およそ生後3週齢から12週あるいは14週齢頃までというのが一般的です。また、動物の愛護及び管理に関する法律により、生後8週(56日)を経過しない犬や猫を、販売のための引き渡しや展示は禁止されています。
つまり、自分の家で出産をしない限り、少なくとも生後3週から8週まではブリーダーが社会化を行うことになります。8週齢以降にブリーダーが販売業者に引き渡す場合、販売業者が残りの社会化を行う必要があります。
犬の一生の中でも社会化期は特に大事な時期です。ですが、法律などには仔犬の社会化を行わなければならない旨の記載はないため、特に社会化が行われていなくても販売・流通する可能性があります。14週齢以降の仔犬を迎えたとすると、仔犬の社会化期に社会化が行われていない可能性があります。
そこでブリーダーがどんな人で、どんな社会化を行っているのか、また販売店はどんな社会化を行っているのか確認することが必要となります。多くのブリーダーはホームページやブログ、YouTubeなどで、社会化の様子を紹介しています。他の子犬たちと遊んでいる様子や、様々な人や物、音など、無理のないように触れさせていると思います。一般には公開していなくても、迎い入れを検討している人には、社会化の様子を教えてくれます。
仔犬を迎え入れることを検討されているかたは、急ぐことなく慎重に迎え入れ先を検討してください。社会化期の社会化不足、あるいは間違った社会化によって問題行動が起こることになってしまいます。
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参考文献
内田 佳子・菊水 健史 (2008) 犬と猫の行動学 基礎から臨床へ. 東京都, 学窓社
水越美奈・全国動物保健看護系大学協会 (2014) 専門基礎分野 動物行動学. 東京都, インターズー
リーセ V. (2014) 「子犬レッスン」テクニック. 東京都, 誠文堂新光社
e-gov 法令検索 (2022) 動物の愛護及び管理に関する法律(昭和四十八年法律第百五号). e-gov [オンライン]. 環境省. 次より閲覧可能: https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=348AC1000000105