犬のテリトリー・縄張り意識

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人間が感じるテリトリー(縄張り)

知らない人が家のまわりをウロウロしていたり、ジロジロ家を見ていたり、家の中を覗き込まれたら嫌ですよね。また、何かの列に並んでいるときに、となりの人が近かったり、後ろの人が迫ってきたりするのも嫌ですよね。家ははっきりと分かる自分の領域、テリトリーですが、知らない人に近寄られたくない気持ちもテリトリーの1つです。

犬が持つテリトリー

犬にもこうしたことは当てはまり、縄張りとも呼ばれます。門や玄関、窓際や塀など、境界線に近づいてきた不審な人や動物に対して警戒し、吠えたり唸ったりして、相手を追い払おうとします。家の周囲もテリトリーに含まれることが多いです。

犬種によって異なりますが、犬の多くは、不審な人が家に近づいて来たときに、こうした相手を積極的に追い払うという行動を起こす犬を、選択して繁殖してきた歴史があります。犬にはそうした能力が生まれ持って備わっています。

学習によって強くなるテリトリーの意識

もう1つ、テリトリーに対する警戒は、学習によっても強くなります。窓から見える通行人にワンワン吠えたら逃げていった(通行人はただ通り過ぎて行っただけです)、宅配の人にワンワン吠えたら逃げていった(宅配の人は荷物を渡して帰って行っただけです)など、不審者にワンワン吠えることで、対象者が逃げていくことを、成功体験として学習していきます。次に不審者が見えたとき、来たときもワンワン吠えようとします。

このように犬のテリトリー(縄張り)意識は、生まれ持ったものと、学習したものとが組み合わさって起こります。

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参考文献
ベイリー G. (2004) 犬って、何考えているの?. 東京都, PHP研究所
Hart B.L. (1995) 動物行動学入門. 東京都, チクサン出版社

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