犬の自由って

家で飼育されている犬にどれだけ自由があるのか。これを考えると、はたして犬を飼っていいものか悩んでしまいます。

犬は勝手に家の外に行ってはいけないので、外に出るときは家族の誰かが一緒です。外に出るときはリードをつけて自由に走り回れないようにしなければなりません。外出の行き先は人間が決めるため、必ずしも犬の行きたいところに行けるわけではありません。時間も人間が決めます。いつ散歩に出かけるか、どのくらい外にいるかは人間が決めます。

食べることも、ほとんど人間が管理しています。食べるものの種類、食べる量、食べる時間、散歩中に拾い食いはできないし、食卓からの盗み食いもダメ。途中でお腹が空いても人間が与えなければオヤツの時間もありません。また繁殖活動も人間が管理しています。去勢や避妊手術をすることは、活動そのものを制限します。もちろん多頭飼育崩壊のようなことを容認するわけではありません。

表現の自由はどれだけ許されているでしょうか。ワンワン吠えることは犬の大きな表現の1つですが、知らない人や犬に吠えるなど、心良く思われない場面は多いです。また人間の横について歩くとか、人間の左側を歩くとかいった場合では、散歩中の歩きかたまで制限します。

人間によって自由の範囲が狭められて犬はどのくらい幸せなのだろうか。人間の子供は成長すると制限が外れていくけれど、犬は成犬になっても変わらない。

以前公園でお会いした飼い主さんは、犬が行きたい方向になるべく行くようにしている。と言っていました。その犬は高齢犬で、公園のベンチでしばらくのあいだ寝てすごし、犬が起きるのを待って一緒に帰って行く姿を何度も見かけました。

許すことができる場面を探して自由を作ってあげることが大切に感じます。家の中の行動範囲を広げる。必要がなければサークルやケージを外す。ソファーやベッドに乗っても構わない。家の中では多少吠えても気にしない。遊びの自由を増やす。私の家では犬のおもちゃはフリーな状態にしています。おもちゃ箱から好きな物を取り出して遊びに誘ってきます。出したおもちゃを片付けるのは人間の役目なのですが。

人間社会のルールを守った上で、どこまで犬に自由を与えられるか、犬の自由意志を尊重できるか、事あるごとに考えてしまいます。

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