犬と一緒にいる。でも、何もしない。

仕事や学校から帰ってきて犬がいると、やっと会えた嬉しさから、撫でたり、遊んだり、話しかけたりしたくなると思います。
特に昼間、離れている時間が長いほど、「せっかく一緒にいるのだから」と思うのは自然なことです。
でも、そのとき犬はどうしているでしょうか。
寝ているかもしれないし、くつろいでいるかもしれません。

犬が休んでいるなら、そのままにしてみる

寝ている犬を見ると、つい撫でたくなる。名前を呼んだり、写真を撮ったり、遊びに誘ったりすることもあります。
もちろん、それがいつも問題というわけではありません。
ただ、犬が今、休んでいるのなら、その時間はそのままにしておく。
そんな過ごし方もあっていいと思います。

「何もしない」は、犬に関心を持たないことではない

犬が寝ている。
窓の外を眺めている。
庭で匂いを嗅いでいる。

そんなときは、こちらから何かを始めなくてもいい。
犬がこちらに来たら、そのとき関わることもできます。
「何もしない」というより、犬がしていることを邪魔せず、そのまま一緒にいる。
そんな時間です。

犬にも「何も起きない時間」がある

散歩を充実させましょう。
おもちゃで遊びましょう。
トレーニングをしましょう。
ノーズワークをしましょう。
知育玩具を使いましょう。

犬との暮らしについて調べると、犬と何をするか、何をしてあげるかという情報がたくさんあります。
もちろん、どれも犬との暮らしの中で大切になることがあります。
でも、暮らしのすべてを活動で満たす必要はありません。

散歩から帰って寝る。
遊んだあとに休む。
人は本を読んでいて、犬は横で寝ている。

そんな、何も特別なことが起きていない時間も、犬の暮らしの一部です。
例えば、落ち着きにくく見える犬でも、「もっと何かさせたほうがいい」と考える前に、静かに休める時間があるか、一度見てみてもいいかもしれません。

一緒にいることと、関わり続けることは同じではない

いろいろな経験をしてほしい。
退屈していないだろうか。
いろいろなことを覚えてほしい。

犬と一緒に暮らしていると、どうしても「犬に何をしてあげるか」を考えることが多くなります。

でも、
人はコーヒーを飲んでいる。
犬は少し離れたところで寝ている。

それでも、同じ時間を過ごしています。
そんな時間があってもいいのではないでしょうか。

犬と一緒にいる。でも、何もしない。
そんな時間も、犬との暮らしにはあっていいのだと思います。

「この記事では、犬の睡眠と行動との関係について Tooley & Heath(2022)、動物が自ら行動を選べることや、人との関わりを含めた動物福祉について Mellor et al.(2020)、Littlewood et al.(2023)を参考にしています。」

参考文献
Tooley, C. & Heath, S. E. (2022). Sleep Characteristics in Dogs; Effect on Caregiver-Reported Problem Behaviours. Animals, 12(14), 1753. https://doi.org/10.3390/ani12141753
Mellor, D. J. et al. (2020). The 2020 Five Domains Model: Including Human–Animal Interactions in Assessments of Animal Welfare. Animals, 10(10), 1870. https://doi.org/10.3390/ani10101870
Littlewood, K. E. et al. (2023). The agency domain and behavioral interactions: assessing positive animal welfare using the Five Domains Model. Frontiers in Veterinary Science. https://doi.org/10.3389/fvets.2023.1284869

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藤森

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