長い垂れ耳の犬は、嗅覚が優れている?

犬の耳の形は様々な形をしています。立ち耳だったり垂れ耳だったり、大きさや長さも犬種によって大きく異なります。
例えばジャーマンシェパードのような立ち耳の犬は、高い位置に耳があり、受信感度を上げるために耳を旋回させ、機敏によく動かし、 音を繊細に感知することができます。
また立ち耳は、半円錐の形をしていて、音を増幅させる役割を果たしています。

その一方で、ブラッド・ハウンドやビーグルのような長い垂れ耳の犬は、こうした立ち耳の犬のような能力は持ち合わせていません。

長い垂れ耳を持つ理由は以下のように、いくつか推測されています。
○藪の中で狩りをするときに異物が耳の中に入らないようにするため
○耳を地面に触れながら歩くと、匂いを鼻に送り込むのに役立つため
○雑音を抑えることで、匂い嗅ぎに集中するため
などが考えられているようです。

1つの感覚が衰えると、他の感覚が発達する。ともいわれ、聴覚を抑えることで、嗅覚をより鋭くしていったと考えられています。
また比較的短い足は、地面からの匂いを嗅ぎやすくしたり、太いマズルは、嗅覚受容体が多く、ささいな匂いでも感知できたり、検知できる匂いの種類も多くなります。
このように嗅覚が優れている犬には、形態にもその特徴が現れます。

今回は、地面に近い低い位置の匂いに限っていますが、コリーのように空気中の匂いを検知するのが得意な犬もいます。コリーとブラッド・ハウンドでは見た目がだいぶ違います。その違いから、特徴を理解するのも、犬を見る面白さの1つだと思います。

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参考文献
フォーグル B. (2005) ドッグズ・マインド. 東京都, 八坂書房
テイラー D. (2006) 新アルティメイトブック犬. 東京都, 緑書房
Thorne C. (1997) 犬と猫の行動学. 東京都, インターズー

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