犬にご褒美としてあげるオヤツ、「グッボーイ」や「いいこ」の後にあげるオヤツに、順位をつけておくとトレーニングがはかどります。とびっきりのオヤツ、結構好き、普通、まぁまぁ、そうでもないなど、ランク付けをしておくことで、例えば苦手な爪切りのときに、とびっきりのオヤツがもらえると上手くできたりします。嫌な爪切りのときに、まぁまぁのオヤツを差し出しても、近寄ってすら来ないことは想像できると思います。休日や年末年始に出勤したのに何の手当もないと、やる気は下がりますよね。でも難しい業務をこなしたら特別手当が出たりすると嬉しいですよね。
オヤツを食べる様子を見ていると、自然とどれが好きでどれがそうでもないか見当が付いてくると思いますが、テストをして調べる方法もあります。
犬にマテををして待機してもらいます。調べたいオヤツを横に並べます。最初はA、B、C、の順番であれば次はB、A、C、と並びを変えてます。OKを出して最初にどのオヤツを食べるかチェックします。あまり差が見られないときは、それらの好みはほぼ同じか、お腹が空いていたので何でもいいから構わず食べたのかもしれません。時間を変えたり日にちを変えたりして試してみるといいかもしれません。中にはとびっきり過ぎて過剰な興奮をしてしまうものもあります。そうしたものはトレーニングに向かないことがあります。
オヤツの順位が分かったら、それの使いどころを考えます。普段よく使う「マテ」や「フセ」にとびっきりのオヤツを使ってしまうと、とびっきり感はなくなってしまいます。普段使いのときは、普通やまぁまぁくらいにしておきます。でも「マテ」が苦手で上手く出来たときに、たくさん褒めたいケースでは、とびっきりを使います。上手なものと苦手なもので使い分けるといいと思います。
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参考文献
アルバート P.A.・トールマン A.C. (2004) はじめての応用行動分析. 東京都,二瓶社
杉山 尚子 (2005) 行動分析学入門 ―ヒトの行動の思いがけない理由. 東京都, 集英社