一貫性の大切さ

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家族内の意見を一致させること

例えば、家族の1人は、犬がソファーの上に乗ることは、ダメだとして降ろしたり、降りるように命じます。でも他の家族は、犬がソファーの上に乗っても構わず、一緒に座ってなでたりします。また、靴下をくわえて遊ぶことを禁止する家族と、遊んでも構わないとする家族がいる場合など、家庭内での意見のが統一されていないことは、良くあることでしょう。

こうした犬に対する一貫性のないコミュニケーションは、不安や混乱、葛藤をまねきます。

犬は、2つのメッセージのどちらに従うか決めなければならず、片方の飼い主に従わないという選択をせざるをえないことになります。コミュニケーションの矛盾によって信頼関係が崩れてしまい、犬は混乱し不安を抱え葛藤するでしょう。家族で話し合い、同じルールで接することが大切です。

気持ちや感情に左右されない態度

一貫性は意見を一致させるだけではありません。例えば、仕事が上手くいかなかったとき、人間関係がギクシャクしているとき、家族が病気のとき、あるいは自分が病気のときなど、気分によって犬との接し方が変わることがあるでしょう。

犬にとっては、こうした気持ちや感情による一貫性のない態度も、混乱をまねいてしまいます。嫌なこと、辛いことがあっても犬には向けず、いつも同じ態度が望ましいです。

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参考文献
Dehasse J. (2007) 行動治療における家族の役割. 犬と猫の行動学マニュアル, 東京都, 学窓社
Horwitz D.F. Neilson J.C. (2012) 犬と猫の問題行動診断・治療ガイド. 東京都, インターズー

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