犬のトレーニングは褒めるだけでいいの?

目次

「褒める」ことが出来ているかチェックする

先日、犬のトレーニングは褒めるだけでいいのか? という話を耳にしました。
褒めるだけではうまく出来ていないと感じているのでしょうか。
疑問に感じたときは「褒める」ということが正しく出来ているのか確認してみましょう。褒めているつもりでも、褒めていることになっていないことも多いです。
下の4つについて、これまでご紹介しました。まずはこれらが出来ているかチェックしてみてください。

犬が嫌がる褒め方をしていないか
褒め言葉が統一できているか
褒め言葉を言うタイミングは正しいか
褒め言葉の意味を理解しているか

「褒める」以外の方法ってなに?

では「褒める」以外で、犬のトレーニンで使う方法は、何があるでしょう?

「叱る」が頭に浮かんだら、それはまだまだ全然早いです。
「褒める」「叱る」以外に何があるでしょうか?

「褒めない」は、犬との関係性を悪くしない方法です。
「褒めない」こともトレーニングの1つです。

例えば人が手に持っているオヤツが欲しくて、ワンワン吠えたとします。このときに吠えることは望まないことだとします。
吠えた後にオヤツをあげてしまうと、吠えることを褒めてしまうのは、よく分かることだと思います。

吠えてもオヤツをあげないとすると「褒めない」ことになります。
手にオヤツを持っているときに吠えても、何ももらえないので、吠えることがなくなっていきます。
こうしたことを負の弱化といいます。

「叱る」ことをしなくても、望まない行動がなくなっていきます。

このとき「何ももらえない」の中には、飼い主さんの視線も含まれます。飼い主さんの視線は、犬にとってはご褒美になります。
「褒めない」は、犬に対して「関心を示さない」と同じと考えるといいと思います。

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参考文献
実森 正子・中島定彦 (2012) 学習の心理 第2版. 東京都, サイエンス社
島宗 理 (2019) 応用行動分析学. 東京都, 新曜社
プライア K. (1998) うまくやるための強化の原理. 東京都,二瓶社

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